退職金に掛かる税金ってどのくらいですか

Q.私は、某会社で営業として四十年余り勤めて参りましたが、この度定年退職となり、今までお世話になった方々に見送られながら、会社を去る事になりました。最後まで仕事をやり切ったという事で万感の思いでいるのですが、これからの二度目の人生をこれまで支えてくれた家内と共に慎ましいながらも幸せな生活を送ろうと考えています。

ところで、会社から退職金を頂いた訳なのですが、およそ二千万円程の計算になっています。退職後の事は深く考えていなかった為、いきなり手にした大金の使い道に悩んでいるところではあるのですが、同期に入社し、同じく退社した同僚から「お前、退職金に税金が掛かるってしっているか?」という事を言われました。正直、退職金があるという事はおぼろげに分かっていながらも、退職金に税金が掛かるという事までは頭に無かったので、詳しくは知りませんでした。

退職金をあてに、家内と一緒に第二の人生設計を考えている最中でもありますので、退職金にあまり税金が掛かり過ぎてしまうと、予定も変えなくてはいけません。退職金には、一体どの程度の税金が掛かるものなのでしょうか?

A.退職金制度とは、日本独自のものであり、賃金に相当するものです。退職金自体は法律で定められたものではない為、企業に支払い義務がある訳ではありませんが、就業規則に記載している(その場合、会社側が支払わなくても請求すれば受け取れるようになっている)会社が殆どで、廃止をしている会社もあるものの、現在でも実に八割以上の会社が退職金を支払うようになっています。

退職金給付制度は、定年退職、自己都合退職、会社都合退職、解雇、死亡等の理由により、社員と会社の雇用関係が消滅した時点で発生し、基本的には定年退職・会社都合退職は高額で、自己都合退職・解雇等は少額である事が多いです。ほぼ一時金支給という形でまとめて支払われる事が多いですが、退職年金制度という場合もあり、一定の期間、一定の額が支払われるという場合もあります。

さて、その退職金には税金が掛かるものなのでしょうか?実は、退職金は「賃金の一部」と定められている為、普段従業員に支払われている給料と同じように、所得税と住民税が課せられる事になっています。これを退職所得税といいます。税率は、勤続年数によって控除が設けられている為、会社の功労者・勤続年数が長い退職者は、それ程高い税金を掛けられる事はありません。

税金は、退職金から控除額を差し引いたものが退職所得と認定されます。勤続年数の控除は勤続年数20年以下が一年あたり40万円、20年超の場合超えた年数当たり70万円の控除を受けられます。また、所得税は所得金額に準ずる所得控除があるので、更に控除を受けられる計算になります。ただし、住民税は退職所得の一律10%で、それ以上の控除はありません。

質問者様の場合、単純に勤続年数四十年で二千万の退職金で計算しますと、退職所得控除が二千二百万になるので、退職所得が0円という計算になりますから、所得税・住民税は一切掛からない事になります。もしも勤続年数が37年以下だった場合、所得控除は退職金を下回るので、それに応じた税金が掛けられる事になります。

長い間お勤め御苦労さまでした。これからは奥様と幸せに第二の人生を送って下さいね。